1月22日(月)に降った雪、大変でしたね。久しぶりに大雪ということで、雪かきで身体が
痛くなった人も多いのではないでしょうか?
うちでは、車庫の屋根に積もった雪かきをしていて、アクリル板の屋根の真ん中あたりに穴をあけてしまいました。あとは、駐車場の雪かきと家の前の路地で日当たりの悪い所の雪かきを手伝ったくらいで、わりと溶けるのが早かったのでよかったです。
けっこうがんばったんですが、身体は思ったより痛くならず、雪かきがひと段落ついたら、かまくらを作って遊ぶ余裕もありました。
そのかまくらにおやつで誘ってなんとか入ってもらって撮った、れもんの写真がなかなかいい感じです(^^♪
日本人初のノーベル文学賞を受賞した川端康成が代表作「伊豆の踊子」などを執筆したのが、伊豆、天城湯ケ島温泉の旅館湯本館という温泉宿で、そこに長逗留した1年あまりの間に伊豆の踊子を含む34作もの小説を書きあげました。
そこで、川端康成が何をしていたかというと、たまに温泉に入りながら、ずっと机に向かって小説を書いていたわけではなく、日中はほとんど宿にはいなくて、外の自然の中でボーっとしていました。
枯れ葉に寝転んで竹林を見上げ、笹の葉からこぼれる日差しを眺めていたり、アユ釣りをしながら川のせせらぎを聞いてボーっとしていたり、露天風呂に入ってボーっとしていたそうです。 そして、夜になると執筆をはじめ、朝方には机に突っ伏して寝ているような毎日だったそうです。
川端康成が伊豆の踊子を発表して文壇を驚かせたのが、その表現方法の新しさで、自然の情景を擬人法などをもちいて美しくも生々しく描写したことでした。 その表現方法を確立しようと模索していた川端康成にある時ひらめきが起こります。 そのひらめきを呼び起こしたのが、自然豊かな温泉地でのボーっとしていた時の脳の使い方だったということが最新の脳科学で明らかにされています。
集中して作業している時や勉強などで情報をインプットしている時などに使っている脳の領域と、ボーっとしている時に使っている脳の領域が違うことがわかってきたのです。
脳は、知識や情報などをインプットした時には、その時に使っていた脳の領域にある程度雑多にその情報を詰め込んでいて、それがボーっとしている時に、別の脳の領域へ今度はある程度整理されて収納されるらしいです。
その後、何かの情報を取り出そうとすると、情報が整理され収納されている脳の領域から、ひらめきが起こるのだそうです。
そして、ここからがさらに重要なのですが、ボーっとしている時に使っている脳の領域が、認知症患者は健常者よりも遥かに少なくなっているのだそうです。
ボーっとしているからボケると思っている人が圧倒的に多いと思いますが、実は、ボケないためにはボーっとする時間も絶対に必要ということです。
ただし、ここで言う、ボーっとするという意味を正しく認識しておく必要があります。 ボーっとするにしても、それは、お酒を飲みながらボーっとテレビを見ているとか、仕事中にボーっとしながら何か考え事をしているような状態ではありません。
ボーっとしながら考え事や悩み事などを常に思考していれば、脳の使う領域は、仕事をしている時とさほど変化はありません。
正しい、ボーっとの仕方は、温泉地で川端康成が自然の中に身を委ねていたように、一旦思考を停止して、回りの自然からくる感覚を感じるということです。
まだんなく続く川のせせらぎの音や、木々の葉が揺れる様子や擦れる音、風の音、日差しの暖かさや空気の冷たさ、新鮮さ、草花の香り、土の香りや感触など、それらを自然に身を委ねながら、思考を停止させボーっとしながらも五感で感じている時の脳の状態とそれを感じている脳の領域が非常に重要なのです。
これが、正しい、ちゃんとしたボーっとする時間です。 この時に使っている脳の領域が、脳の健康にも精神的な衛生にも、とても重要だということが解明されてきています。
川端康成も手記の中で、「私の作品の大半は温泉地で書き上げたものだが、その環境がインスピレーションを与え、さらに気分の一定をもたらした。」と書いています。
作家といえば、机に向かって、書けない苦しみの中で頭をかきむしりながらアイデアをひねり出し、いつも不機嫌で気難しいイメージが私にはありますが、川端康成は1年あまりの間に34作もの作品を書きおろしています。 その湧き出る創作意欲とアイデアもさることながら、気分が一定していたというのはさらにすごいと思います。
ボケないために、常に忙しくしていなければならないと思っている人、ゆっくりと空を見上げたのはいつだったか思い出せない人、せっかく温泉に行っても仕事のことや悩み事や考え事だらけで、せっかくの景色や自然の感触を感じる暇もない人、そんなに脳を酷使して、同じ領域に負荷をかけ続けると、ボケますよ!
最近健康のためとジョギングやウォーキングをする人が増えていますが、その時にイヤホンをしてスマホで音楽を聴きながらやっている人を多く見ます。 おいおい! そうじゃなくて、もっと風を感じようよ、木々の葉の色の変化や音や香りを感じようよ。 もっと地面を蹴る足の裏の感覚を感じるのに脳を使おうよ。
そして、人の精神安定のためには、昔から、海や山へ定期的に行っておくことが良いと言われていました。自然を感じて生きてきた生き物です、人間も。 だから、ちゃんとボーっとしに行きましょう。
川端康成について色々書きましたが、かくゆう私も、まだ1つも川端康成の小説を読んだことがなかったので、今度代表作の伊豆の踊子を読んでみたいと思います。
伊豆の踊子改版 (新潮文庫) [ 川端康成 ] |
雪かきをやった後、腰が痛くなる人が多いと思います。 雪かきの直後から、よく腰を温めるようにしましょう。 それと、腰に痛みが出たら、その痛みが腰の右側だったら右のふくらはぎを、左側だったら左のふくらはぎを、カイロを貼ってよく温めてください。 足腰と言いますが、足と腰で連動して痛みを出しています。 腰のケアと同時にふくらはぎもしっかりとケアして温め、その上で毛管運動をすれば身体の回復は早いです。
まだ寒い日が続きますが、身体を労わってくださいませ。