インスリン抵抗性と肥満と糖尿病

インスリン抵抗性と肥満と糖尿病

太ることで健康にどのような影響が出てくるのかを解説しています。

インスリン抵抗性と肥満と糖尿病

シロハ便り 第90号 2016年7月

 

インスリン抵抗性と肥満と糖尿病

 

 今年の夏は、記憶にないくらいの想像を絶する記録的な猛暑になると思います。

 

 毎年、異常気象の天候が話題になりますが、この夏はとくに危険だと言っていいでしょう。

 

 体には本来、環境の変化に対応するための機能が備わっていますが、体の疲れや変調に敏感に対応できる人と、出来ない人がいます。
 脳と体との情報交換が上手くいっている人は気候変動にもある程度強いです。

 

 オプセラを受けている人と受けていない人では、この差がはっきりと出ます。
 オプセラを受けているみなさんは大丈夫だと思いますが、自分の体の疲れや状態に、しっかりと注意を払って耳を傾けておきましょう。

 

インスリン抵抗性と肥満と糖尿病

 

 前回のシロハ便りで、太る体質とそのメカニズムを書きましたが、太るということと肥満では意味が少し違ってきます。 今回はそのあたりを解説してみたいと思います。
 摂取カロリーと摂取する糖質が多く、消費する筋肉量が落ち、運動量が落ちれば、どんどん脂肪になっていくというのが前回までのお話でした。脂肪が増えて太っていくわけですが、その太り方は大きくわけて2つに分類されます。 男性型肥満と女性型肥満です。

 

 男性型肥満とは、お腹回りに脂肪がつき、ポッコリお腹が出てくる形の太り方です。 女性型肥満とは、主におしりから下半身にかけて洋ナシ型に脂肪をついてくる太り方です。

 

 この2つに分類される太り方では、付いてくる脂肪の性質が違ってきます。 特に怖いのが男性型の肥満で、お腹に付いてくる脂肪です。なぜお腹回りの脂肪が怖いかと言うと、ここに増殖してくる脂肪は、インスリン抵抗性を引き起こす物質を出すと言われているからです。

 

 インスリン抵抗性とは、インスリンが効きにくくなる状態になることで、血液中に余分に入ってきた糖質を、その大口取引先である筋肉の貯蔵庫にしまい込むのを邪魔してしまいます。

 

 インスリンはどのような働きをしているのかと言えば、インスリンは血糖値を下げる役割をする薬のようなものではありません。インスリンは、筋肉と脂肪細胞が血糖を引き込む時に、糖が筋肉や脂肪の細胞の膜を通り抜けられるように、細胞膜を開くための鍵となる、グルコース・トランスポーターというタンパク質を出現させる役目をもっている物質です。

 

 つまり脾臓のβ細胞は血糖値が上昇してくると、余剰血糖を筋肉や脂肪にある貯蔵庫へしまっておくために、その貯蔵庫の鍵を開けるための物質(グルコース・トランスポーター)を細胞の奥から細胞膜の表面へ呼び出す目的で、インスリンを出して、刺激してあげているだけなのです。

 

 その最大の貯蔵庫が筋肉で、これはすぐに使うために貯蔵される糖質の保管庫になり、その容量が一杯になるとやむなく脂肪細胞へ引き取られていきます。

 

 インスリン抵抗性が強くなると、最大の糖質の貯蔵庫である筋肉へインスリンが効かなくなり、その貯蔵庫にはあまり入らなくなります。 インスリン抵抗性は同じように脂肪細胞にも効くのですが、脂肪細胞は容量の制限がありませんので、少しずつでも脂肪細胞へ糖質が蓄積されていき、どんどん太っていきます。

 

 さて、ここまででもかなり怖いですが、ここから2極にわかれ、さらなる恐怖がそのどちらにも待っています。

 

 海外のニュースで、400kgとか500kgの肥満体重で命の危険があり、病院へ搬送するのに家のドアをくぐれないから家の壁を壊してクレーンで運び出した、というのを見たことないでしょうか?

 

 あまり日本では、そこまでの肥満の人は見ないですよね。 インスリン抵抗性によって筋肉で消費されにくくなった糖質がすべて脂肪細胞になっていくならば、際限なく太ることができます。
 しかし、欧米人とアジア人ではインスリンを出す細胞の強度が違うのです。

 

 つまり、欧米人ではインスリンを分泌する力が強い体質の人が多く、インスリン抵抗性が起きても、それでも糖質を脂肪細胞へ押しこめるくらい、強力にインスリンを分泌できる人が多いようなのです。

 

 しかし、日本人は、インスリンを分泌する力が弱い体質の人が多く、インスリン抵抗性によってインスリンが効きづらくなると、初めは順調に脂肪細胞に吸収されていくのですが、そのうち余分な血糖を処理することが出来なくなり、血糖値が上昇していきます。

 

 つまり、インスリンの分泌力が強い体質ならば、動けなくなるくらいに際限なく太ることができ、インスリンの分泌力が弱い体質ならば、糖尿病になっていくということです。
 日本人は太っている人でも欧米人に比べれば全然スマートな方ですが、その分糖尿病リスクは非常に高く、糖尿病の患者数は先進国の中でも特に多いです。

 

 メダボリックシンドローム(メタボ)の肥満の判定基準がウエストのサイズで、男性が85cm以上、女性が90cm以上になっているのは、その部位の脂肪がインスリン抵抗性を引き起こす性質の脂肪であり、そこから糖尿病へ進んでいく危険水準へ入っていくことを意味しています。

 

 ウエストがメタボの基準値以上で、血糖値が高めだと言われている人がいたら、とにかく、まず、運動をしてください。万歩計の携帯は必須です。

 

 インスリン抵抗性を改善するには、1日1万歩以上が必要です。最低1日1万歩です。それ以上歩くことで、初めてこのインスリン抵抗性は改善方向へ進むということがわかっています。

 

 歩けるうちに歩いておくことが、その後の疾患リスクをおおいに下げることになりますので、がんばりましょう。

 

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今月のおすすめ

 

 自分が1日の中で、どのくらい動いているのかを知っておくことは大切なことです。 万歩計をもって計ってみましょう。

 

 1日に1万歩は、ちゃんと心がけをしていないと、なかなか達成できない数字です。 私は、れもんちゃんのお散歩で30分くらい歩いて3000歩くらいです。

 

 朝、掃除やいろいろな準備をしていて大体2000歩くらい。健康のためには、やはり1時間くらいは歩いている時間が必要なようです。

 

 

 

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