太る体質と太る仕組み

太る体質と太る仕組み

太る体質と太る仕組みについて解説しています。

太る体質と太る仕組み

シロハ便り 第89号 2016年6月

 

太る体質と太る仕組み

 

今年はラニーニャ現象が起こっているそうで、エルニーニョ現象とどう違うのかというと、赤道付近
の日付変更線から南米沿岸にかけての海水温が異常に高いのがエルニーニョで、異常に低いのがラニーニャ現象ということです。

 

日本への影響は、乾燥した空気が流れ込むため、梅雨が短く、猛暑になる傾向があり、その年の冬は寒くなるらしいです。

 

エルニーニョもラニーニャも、世界中で異常気象を起こす要因になり、日本への影響も強いようです。

 

はげしい気圧変動に負けないように、しっかりケアをしていきましょう。

 

太る体質と太る仕組み

 

昔々、氷河期を生き抜いた人類は、ある遺伝子情報を獲得し後世へ繋ぎました。
穀物類の育たない環境で、糖質を補給しにくくなったため、少ない糖質をなるべく節約して使い、なるべく貯蔵しておくような体質に進化させたのです。

 

その遺伝子情報が倹約遺伝子といわれるもので、そのおかげで飢餓に強い人類が生き残ってきました。
そして、現代にまで、その倹約遺伝子は引き継がれています。

 

特にアジア人にはその傾向が強く、日本人の3 人に1 人は、この倹約遺伝子をもっていると言われています。

 

糖質は生きるために絶対に必要な栄養素で、特に脳はブドウ糖のみを唯一のエネルギー源にしています。糖がなくなれば脳が停止します。
脳はブドウ糖のみをエネルギー源にしているにもかかわらず、全体のエネルギーの約20%も消費している大飯食らいの器官で、安静時も睡眠中も生命維持のために莫大なエネルギーを使っています。

 

勉強や仕事をしている活動時でも、脳のエネルギー消費量は睡眠時とそれほど変わらない微増くらいです。いかに膨大なエネルギーを使って、生命を維持するための仕事をしているかということです。

 

脳にブドウ糖を供給することが最優先なのですが、ブドウ糖をエネルギー源にしている大切な器官は他にもあります。肝臓、筋肉、赤血球、腎臓などの消費量が多いです。

 

倹約遺伝子は、脳以外の臓器でブドウ糖の消費を極力低く抑え、そして貯めておく体質を作っています。
そのブドウ糖の貯蔵場所が脂肪細胞なのです。

 

食糧不足、穀物不足の時は、有効に命を守る仕組みだったと思いますが、これが現代の飽食の時代になり、糖質が過剰に摂取され、運動不足が重なるとどうなるのかは、もう説明は不要でしょう。ずばり、太ります!

 

元々太りやすい人は、この倹約遺伝子をもっているのですが、それだけが太る理由ではありません。もう少し太る仕組みを詳しくみてみましょう。

 

成人の1 日の摂取カロリーの目安は2000Kcal と言われています。その60%は炭水化物などの糖質で摂取することが望ましいと言われています。
糖質は1gで4Kcal のエネルギー消費量なので、2000Kcal の60%の1200Kcal が糖質によるカロリー摂取量として、1200Kcal÷4Kcal=300gが、1 日に摂取している糖質の量という計算になります。

 

そのうち脳では1 日に糖質の消費量が120gくらい必要で、残りの180gが筋肉や肝臓や赤血球のエネルギー源になります。

 

1 日に3 回食事をして、300gの糖質が摂取されると言うことは、1 回の食事で100gの糖質が、ブドウ糖として血液に入ってきます。
すると一気に100gも入ってくると血糖値が危険になりますから、体は脾臓からインスリンを分泌して、今すぐに使いきれない糖質を一旦貯蔵庫にしまっておきます。

 

その余分な糖質の大口引受先が筋肉と肝臓と脂肪細胞です。

 

この余分な糖質の引受先である、筋肉と肝臓と脂肪細胞では、その貯蔵目的が異なります。筋肉に貯蔵される糖質は体の表面に近いパワーとスピードを出す筋肉(白筋)のエネルギー源となり、筋肉の強い収縮運動に使うために貯蔵されます。
筋肉に貯蔵された糖質は、筋肉の運動のみに使われ、血糖として血液に戻されることはありません。

 

この白筋は無酸素運動の状態で糖質をエネルギー源としてパワーを出しますので、はげしい運動をするほどに消費されていきます。

 

肝臓に貯蔵される糖質は、肝臓のエネルギー源に使われるだけでなく、血液中の糖質が脳によって消費され、血糖値が下がってきたら、肝臓は貯蔵しておいた糖質をブドウ糖に戻して血液中に流し、ブドウ糖を脳へ安定供給しています。

 

つまり、筋肉と肝臓は、それぞれ使用目的があり、そのために一時的に糖質を貯めておく貯蔵庫なのですが、その容量には当然限度があります。

 

全力をふりしぼるような激しいウエイトトレーニングや運動をする人ならば、どんどん筋肉に貯蔵している糖質は消費され、消費されれば補給が必要になり、貯蔵できる容量も増えます。
しかし、そんなに筋肉も使わなくなると、この貯蔵庫の消費が落ちていき、空き容量が少なくなり、余分な糖質がここには入れられなくなります。

 

肝臓も貯蔵できる糖質の量には限りがあり、それほど多くは引き受けられません。

 

そこで、余った糖質はすべからく脂肪細胞へ蓄積することになります。
今度は使うための一時的な貯蔵ではなく、ほとんど消費される予定のない、蓄積した糖質のたまり場となります。

 

肝臓は、貯蔵してある糖質からブドウ糖を供給するだけでなく、脂肪組織からも成分を使い、糖を生成し、脳へのブドウ糖供給をしていますので、全く無駄な蓄積ではないのですが、消費量としては微々たるものです。

 

筋肉に貯蔵できる糖質の量の最大値が大きくて、消費量も多ければ、たくさん食べても大丈夫ですが、筋肉が細くなって、貯蔵できる容量も消費量も減れば、当然食べすぎれば脂肪になっていきます。

 

自分の筋肉に、糖質を貯蔵できる容量はどのくらいなのか?計算してみましょう。

 

必要な数字は、自分の体重と体脂肪率と身長です。体脂肪率はBMI と同じとします。

 

計算式は
体脂肪率(%)=体重(kg)÷{身長(m)×身長(m)}
体脂肪量(kg)=体重(kg)×体脂肪率(%)÷100
除脂肪体重(kg)=体重(kg)−体脂肪量(kg)・・・これが、体重から脂肪を取り除いた重さになり、骨と筋肉と内臓などの重さです。この半分が筋肉の量ですので、筋肉量(kg)=除脂肪体重(kg)÷2・・・となります。

 

私の例で計算すると、体重66kg、身長が1.75mなので、体脂肪率は66÷(1.75×1.75)で
21.55%になり、体脂肪量は66×21.55÷100=14.2kg。除脂肪体重は66−14.2で
51.8kgとなり、その半分25.9kgが筋肉量になります。

 

筋肉が貯蔵できる糖質の量は、筋肉量の0.5〜1.0%ですので、私の筋肉で貯蔵できる糖質の量は129.5g〜259gになり、最大でも259gの容量ということになります。

 

一方、筋肉では余剰糖質の70%が貯蔵され、肝臓では30%が貯蔵されます。通常では脂肪には数%いくかいかないかです。

 

1日に2000Kcal 摂取して、糖質が300g出来て、その120gが脳で消費されますので、余剰糖質は180gになり、その70%が筋肉に貯蔵されるということは、126gは筋肉で貯蔵され消費されなければ、そこに入りきらない糖質は脂肪へ回ると言うことです。

 

私の場合、筋肉量から貯蔵できる糖質の量は最大で259gですから、その半分は消費しておかないと、新たに入ってくる糖質は受け入れきれなくなり、太るということになります。
しかも、2000KCal で済めばいいですが、それ以上に食べれば、その分、消費していなければ全部脂肪になっていきます。

 

ご飯1杯分は約140gで235KCal、菓子パンは1個で400KCal、カツ丼1020KCal、カレーライス800KCal、ラーメン500KCal、ポテトチップス440KCal など、2000KCal なんてあっと言う間です。

 

一般的に男性で1700KCal は基礎代謝で生命維持のため、何もしなくても消費しますから、2000KCal摂取すると毎日300KCal は何かで消費しなくてはなりません。

 

消費カロリーの目安は、1時間継続して行った場合
水泳(クロール)では1337KCal で一番消費量の多い運動です、ジョギングでは605KCal、階段登りで478KCal、ウォーキングで216KCal、自転車(平地)で229KCal、入浴が191KCal、掃除で172KCal、デスクワークが102KCal、車の運転が96KCal、料理が89KCal、などです。

 

自分のカロリーの摂取と消費の収支を計算してみてください。

 

同じカロリーの摂取でも、炭水化物の割合が多いと、それだけ摂取する糖質は多くなり、その糖質を消費できる筋肉はパワーとスピードを必要としますので、軽い運動や軽作業程度ではなかなか消費されず、どんどん脂肪になっていきます。

 

その上に倹約遺伝子をもっていると、筋肉での糖質の消費は元々悪くて脂肪になりやすい体質ということになりますので、かなりやっかいです。

 

そして、ここからさらに怖いのが、肥満からインスリン抵抗性が起こり、血糖値のコントロールが出来なくなり糖尿病へと進んでいくことです。
これについては、また次回にしますが、過食と運動不足が怖いと肝に命じておきましょう。

 

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