蔵王温泉の特徴

蔵王温泉の特徴

蔵王温泉に行ってきたので、その温泉の特徴をご紹介します。

蔵王温泉の特徴

シロハ便り第113号 2018年6月

蔵王温泉の特徴

 

 先月の旅行は、山形県の蔵王に行ってきました。
もちろん、れもんとみーも一緒です。 猫とお泊りOKってところも増えてきましたね。

 

 今回、山形県に行ったのは、蔵王が目的ではなく寒河江に行ってみたかったからです。
 私の苗字である白岩の発祥の地らしいので、行ってみました。 祖先は大江氏で、その嫡流が寒河江氏らしく、寒河江氏の嫡流がその土地の白岩から白岩氏を名乗っていたのが始まりだったようです。

 

 ちなみに大江氏の子流は毛利氏で、人気の戦国大名毛利元就で有名な毛利家と、大江、寒河江、白岩とは同じ家紋です。
寒河江は奥州への交通や戦略的な要所であったばかりか砂金が取れたので非常に重要な土地だったようです。 故に、奥州の覇権を競った伊達氏と最上氏によって後に滅ばされてしまいました。

 

蔵王温泉の特徴

 

 今回の旅行で行った蔵王はスキー場で有名ですが、蔵王温泉は西暦110年開湯として1900年の歴史を持つと言われています。同県の白布温泉、福島県の高湯温泉と共に奥羽三高湯(たかゆ)の一つに数えられる名湯です。

 

 歴史的には、西暦110年頃、日本武尊(ヤマトタケルミノコト)が蝦夷征伐に来た際、武将の吉備多賀由(キビノタガユ)に毒矢が当たり苦しんでいた時に、温泉を発見し浴びさせたところ、すっかり全快したという古文書が残っていて、その武将の吉備多賀由が感謝の意を込めて“高湯”(多賀由)という名称を残したそうです。

 

 蔵王温泉の泉質は酸性泉です。旅館全体に硫黄の香りが充満していて、泊まったお宿は100%源泉かけ流しの温泉でした。
 酸性泉で日本一酸性の強い温泉は、埼玉県の玉川温泉と言われていますが、それに匹敵するほどの強酸性泉(pH1.25〜1.6)です(レジオネラ菌も生息できません)。強力な殺菌力と洗浄力、漂白力があり、美肌の湯としても有名らしいです。

 

 酸性泉のお風呂の入り方は、私も帰ってから調べて初めて知ったのですが、浴槽に入る前に体を洗って油膜を洗い流してしまうと肌に刺激が強すぎてしまうので、体を洗わずに湯舟に浸かり上がる前に清水で体を軽く洗い流すのが良いそうです。 
 そう言われても、そんな人を見たら注意してしまいそうですよね。僕なら、軽く洗うふりくらいでもいいから体を洗い流すようにしてから入りますけど・・・。

 

 今回泊まったお宿はペットOKで猫もOKで、『山形蔵王温泉 最上高湯 善七乃湯』という所です。うちの嫁さんは、古い!汚い!って言ってましたけど、私はとても落ち着く感じでした。
 確かに建物や部屋は古いのですが、温泉は良かったです。全国には約14,000軒の温泉旅館があり、その中でも100%かけ流し源泉はたったの1%(150軒)しかないらしく、このお宿は完全に100%源泉かけ流しで、その源泉もお風呂に行くまでに一度も空気に触れないように配慮されていました。温泉は地上に噴出した後、時間とともに劣化していくそうです。一度も空気に触れさせず、加水も加温もせずに、お湯を循環させることもなく100%源泉かけ流しにしている温泉はとても貴重なのです。

 

 この旅館は敷地内に源泉(辻屋源泉・大平源泉)を2つ所有しており、それぞれ洞窟の奥から自噴していて、源泉湯量は毎分300リットルあり、旅館の定員以上が使っても使いきれない湯量ということでした。
 辻屋源泉平均50℃、大平源泉は平均45℃の源泉をひとつにブレンドして湯量のみで適温40℃〜43℃に日々調整しているそうですが、私にはちょっと熱すぎて入っていられなかったのが残念です。

 

 酸性泉の特徴を一言で言うと『皮膚病の湯』または『殺菌の湯』です。殺菌力の強いので、慢性皮膚病には特効性があり、消化器病、慢性婦人病、筋・関節痛、糖尿病に効果があるとされていますが、高齢者で乾燥肌の人には向きません。

 

 一応適応症と禁忌症は以下の通りです。 温泉も上手に付き合ってみるといいと思います。

 

適応症(温泉が効く疾患や症状)
きりきず、やけど、慢性皮膚病、虚弱児童、慢性婦人病、月経障害、糖尿病、高血圧症、動脈硬化症、神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、 運動麻痺、関節のこわばり、うちみ、くじき、慢性消化器病、痔疾、冷え性、病後回復期、疲労回復、健康増進

 

禁忌症(温泉の入浴を控えた方が良い疾患や症状)
皮膚・粘膜の過敏な人、特に光線過敏症の人 / 高齢者の急性疾患(特に熱のある場合)/
活動性結核、悪性腫瘍、重い心臓病、呼吸不全、腎不全、出血性疾患、高度の貧血、妊娠初期と末期

 

お釜

 

 私は知らずに行ったのですが、蔵王の観光名所にもなっている『お釜』に行ってきました。蔵王五色岳にある火山湖で、天候等諸条件によってエメラルドグリーン調や瑠璃色調に湖面の色が変わり、その色調は季節によって様々だそうです。水質は、pH=3.5の酸性で、生物は一切生息していないらしいです。

 

 私は何も知らずに、なんとなく行ったら全然きれいに湖面が見えたので、それほどありがたみのある景色だとは思いませんでしたが、湖面がきれいに見えることはむしろ稀で、高地にあるため雲がかかりやすく、これを見るために何度も訪れチャレンジをしている人もいるくらいタイミングが良くなければなかなか見られない景色だそうです。
蔵王温泉の特徴

 

あとがき

 

 寒河江氏の居城である楯山城があったとされる楯山公園に行ってきました。ここから見下ろす領地に白岩の土地と居城もあり、奥州の重要拠点を治めていたのだなあと思いました。
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