発酵と腐敗

発酵と腐敗

百薬の長といわれた本物のお酒、その発酵過程から学ぶ健康への本質について

発酵と腐敗

シロハ便り第60号 2014年1月

 

発酵と腐敗

 

明けましておめでとうございます。
新年もよろしくお願いいたします。

 

みなさま、お気づきのように診療室の模様替えをしました。あまり深くは関わっていないのですが、風水もちょっと参考にしながら、気の流れをさらに気持ちの良い流れにしていくように変えました。

 

検査機器に必要なパソコンも変えて、極力機械のモーター音がしないようにしていくつもりです。
気持ちのいい場つくりって楽しいです(^-^)

 

 

発酵と腐敗

 

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 去年の暮に読んだ本がとても感銘を受ける本でした。『発酵道』という本です。
 新年にあたって、年初にこの本をご紹介できるのがとてもうれしいです。

 

 この本は300 年の歴史を持つ酒蔵の『寺田本家』23 代目の社長さんが書いたものです。 この本を読んで、すぐにここのお酒を注文しました。 1 本は去年のうちに、1 本はお正月に飲んでみましたが、おいしい~~~(^-^)
 私は日本酒は苦手で、飲むとブルブルっと震えがくる感じとすぐに酔って頭痛くなります。しかしこの寺田本家の純米酒『五人娘』はしっかりと日本酒なんですが全然飲めて、酔いますが頭痛くなりません。 そして次の日、お腹の調子がとってもよくなります。

 

 何が違うのかというと、ほとんどのお酒はその製造過程で合成アルコールを使うのに対して、この寺田本家のお酒は一切使わず、全て微生物の発酵によるアルコールなんです。
 私が飲んだお酒は純米酒の『五人娘』とそのお酒のしぼったまま瓶詰めした『しぼったまんま』の2本ですが、もっとすごいのが、玄米100%でつくった『むすひ』というお酒。
 普通玄米100%ではお米に麹菌が届かないのでお酒には出来ません。 それを創意工夫によってやってのけてしまいました。 そしてそのお酒は・・・・雑味や酸味があって、けっしておいしくはないようなのですが・・・ 生命力にあふれた本当のお酒です!

 

 信念をもって作った、完全無農薬の玄米100%と微生物の力を借りた職人さん達の知恵と努力で出来上がったお酒をはじめは「日本一まずいお酒です」と言って売っていたそうなんですが、口コミで広がり、愛飲者からお礼の手紙が送られてくるようになったそうです。

 

 その手紙は、おいしかったです!という手紙かと思ったら、なんと、糖尿病が治った!とか血圧が下がった!とか様々な病状の改善結果が届いたのです。

 

 まさしくこれこそが『百薬の長』といわれたお酒なんですね。

 

 さて、詳しくはこの本をぜひ読んで頂きたいのですが、なぜこんなにも健康によい反応が起きたのか?実はこの23 代目さんは、経営不振で一時は病気になり偏食の結果腸が腐ってしまったのを乗り越えて、本当の『百薬の長』となるお酒作りに経営方針を大転換させたんです。
 その時、病気になって腐ることも、発酵して健康によいものになることも、同じ微生物の働きだと気づいたらしいのです。

 

 発酵も腐敗も原理は一緒!
 そこから見えてくる、本当のお酒作り。
 そこには微生物の世界の、『生』の調和があった!

 

 腐ることなくおいしいお酒に発酵していくには、いろんな種類の微生物がその時々で自分の役割を果たし、命のリレーをするように次の微生物にバトンを渡しながら調和していくらしいのです。
 それを助けるため、微生物が気持ちよく仕事ができるような『場』を作ってあげることも大切(私の診療室の模様替えはこの影響です^^;)

 

 微生物に気持ちよく仕事をしてもらうための場には、そこで働く人の意識も大きく影響するらしく、いわゆる地獄言葉「バカヤロウ」とか「こんちくしょう」とかを発するだけで、お酒の味が如実に変化してしまうそうです。

 

 常に感謝の気持ちと「ありがとう」の言葉、天国言葉を使うようにすると、ちゃんと微生物はそれぞれの役目を完璧に果たしながら最高のお酒へと発酵させてくれるのだそうです。
 そうして出来たお酒に『百薬の長』の力が漲るわけです。 発酵した力が人の体内に入り、人体の微生物の仕事場である腸に届き、腸内環境が改善されれば健康に悪いわけがないです。

 

 近年、除菌とか滅菌とか、環境衛生のことを謳った商品が多いですが、人は菌(微生物)なしでは生きていけません。微生物だけでなく、多くの命あるものとの調和のとれた共生の中でこそ、真の健康は実現するのだと思います。
 そんな多くの命によって共生して生きているのだから、自分の身体を生かしてもらっている多くの命ある生物に気持ちよく仕事をしてもらえるような環境と意識を整えていくことも大切なのではないでしょうか。

 

 身体を構成している細胞の一つ一つも、お酒を作っている微生物と同じです。 気持ちのよい環境と意識の中で、よい仕事をしてくれます。 意識がプラスならば良い振る舞いを、マイナスならば悪い振る舞いをします。 同じ細胞、同じ働きなのに、健康にもなるし病気になるのです、微生物の起こす『発酵』と『腐敗』のように。

 

 それと、消毒のしすぎによる害について書かれていたのもおもしろかったです。 若い世代や子供達の深刻なアレルギー問題を解決するヒントがそこにもあります。
 年配の方の胃腸は、今の若い世代の人のより、ずっと丈夫です。 自分も小学生の頃、ぎょう虫検査を受けましたが、ぎょう虫の尿とか糞の中に超強力な免疫物質が存在することがわかっているそうです。
 ノロウイルスやインフルエンザで学級閉鎖なんて話は毎年必ず耳にしますが、子供の免疫機能の低下やアレルギー反応の強さの裏には、菌や虫を不衛生で悪い奴と決め付けて、共生することを忘れてしまった社会的な背景があるはずです。
 便利で大量に生産すること、コストが抑えられ安く買えるようになったことに慣らされていたものの、その裏に起こっていた本来の姿からの乖離に気づき、本物への回帰を求める人は今後ますます増えていくでしょう。
 逆に、完璧に消毒され、大量の添加物に晒された食べ物から離れられなくなっていく人も増えるでしょう。

 

 自分の健康は自分で守る時代です。 でも、選べる時代でもあります。 大量の添加物で犯された身体を大量の薬でごまかしつづけるのか、大いなる自然の力と生物との共生の中で生きる力を育んでいくのかを。

 

 古き良き時代の偉大な知恵と技術が、こうして掘り起こされていくこと、そして本物にまた出会えることは、本当にありがたいことだと思いました。

 

 

今月のおすすめ本

 

 ということで、今月ご紹介する本『発酵道』は、ぜひぜひ読んでみてください。
お酒は『百薬の長』というのは、酒造メーカーの宣伝文句だと思っていました。 お酒は『きちがい水』とずっと思っていました。 家系的にも酒癖が悪く、お酒で苦労してきた家族が多いです。 酒飲みはずっと大嫌いでした。
 でも、悪いのはお酒ではありませんでしたし、それがよくわかりました。健康とは何か、共生して生きているとはどういうことかが、とても心に響きました。

 

発酵と腐敗

 

題名 「発酵道」
著者 寺田啓佐
発行元 河出書房新社
価格 1,575 円

 

 

あとがき

 

2 月9日(日)はお休みさせて頂きますので、よろしくお願いいたします。 友達と築地で寿司会します(^-^)
で、同じ仲間と3月には、この寺田本家の酒蔵見学にいく予定です。←すごく楽しみ~~(*^_^*)

 

 

 

 

 

 

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