姿勢と骨盤の関係

姿勢と骨盤の関係

姿勢と骨盤の関係について

姿勢と骨盤の関係

シロハ便り 第128号 2019年9月

 

姿勢と骨盤の関係

 

 8月の猛暑でお疲れだと思いますが、体調はいかがでしょうか? 猛暑の原因の1つは、超強力な高気圧です。

 

 身体は高気圧にさらされると、外側の強い圧力に対抗しようとして身体の内側からも圧力を高めて押し返そうとします。
 その時、身体の表面の筋肉は、内外から強い圧力を受けるので緊張が高まり血圧も高くなります。

 

 その上での熱波ですから、身体の筋肉細胞や内臓への負担はおのずと強くなり、熱中症にならずとも身体のあちこちに疲れやダメージが蓄積されています。

 

 残暑も厳しいですが、この季節の変わり目にしっかりと身体を休ませ回復させておかないと秋冬にかけて抵抗力が落ちてインフルエンザなどにかかりやすくなります。

 

 しっかりと時間をかけて半身浴をし、なるべく充分な睡眠を心掛け、食欲の秋ですが、腹八分で胃腸にも負担をかけないようにしましょうね。

 

姿勢と骨盤の関係

 

 骨盤矯正というのを聞いたことがあると思います。 骨盤がズレて歪んでいるから姿勢も悪くなり腰痛などを引き起こしているので、その骨盤のズレを矯正しようという考え方です。

 

 上部頸椎カイロプラクティックと他の整体とでは、ここの考え方が真逆です。 下(骨盤)がズレるから上がズレるという考え方に対して上部頸椎カイロプラクティックでは上(上部頸椎)がズレるから下がズレるという考え方をしています。

 

 故に、私の考えは上部頸椎の方なのですが、骨盤が歪むという考え方にはとても違和感があります。 骨盤は歪むのではなく上下左右にフロートして動いているだけと考えているからです。

 

 他の整体では、悪い姿勢をとっていると骨盤が歪むと考えていますが、それは違います。 骨盤自体が歪むことはないからです。 

 

 そもそも人体の骨盤は人が二足歩行を始めたために上体や内臓を支えるために巨大になりました。 人間の骨盤は、全体の骨格に対する容積の割合が全哺乳類の中で最大です。 それほど人の骨盤は異常に大きく、哺乳類の中で最も難産な種とも言われています。

 

 それだけ大きな骨盤が歪むことはなく、歪みと言っているのはその骨盤の位置が上下左右にフロートするように動くことを言っているのです。

 

 ここで、なぜ骨盤の位置が動くのかが問題になります。 これが、悪い姿勢をしているから動くと言うのが、一般的なイメージになっており、そこから骨盤矯正という考え方が浸透してしまっています。

 

 しかしこれは違います。 骨盤は上体のバランスをとって動いているにすぎません。 
 上部頸椎カイロプラクティックでは、上部頸椎がズレることで頭の重心位置が移動し、その頭の重心位置のズレを補正するために下の骨盤が上下左右に移動してバランスをとっていると考えています。

 

 イメージとしては皿回しのようなもので、手のひらに棒を立ててその上にお皿を乗せて回す時に、上のお皿が動けばバランスをとるために手を動かします。 このお皿が頭で手が骨盤です。

 

 バランスをとってくれている骨盤の位置がおかしいからといって骨盤の位置を矯正してしまうと、骨格全体のバランスがバラバラになり、余計におかしくなっていきます。

 

 上部頸椎を調整し、頭の重心位置を正すと、自然に骨盤の位置も正しい位置に勝手に戻っていきます。 故に頭の位置がズレているのに骨盤を無理に矯正するのは避けるべきなのです。

 

 姿勢が悪いから骨盤がズレるということはありません。 逆に悪い姿勢に見えても、その人にとってはそれでバランスが取れているならば、そのまま楽な姿勢でいたほうが身体には負担になりません。

 

 その上で、長時間座っていて腰がつらくなると言うならば、定期的に上部頸椎を調整するのが一番ですが、普段気を付けるならば、姿勢を正そうとして背筋を伸ばすようにすることは絶対にやるべきではなく、下っ腹を引っ込めるようにして、下を向いた骨盤を起こすように気を付ける事をおすすめします。

 

 長時間座っていたり、ずっと立ちっぱなしで腰に負担があり痛くなるようならば、それは背骨の生理湾曲のS字のカーブが深くたわんでいることが原因です。 つまり猫背と反り腰は対になっているのです。

 

 その猫背を無理に伸ばそうと背筋を伸ばすようにすると、その反動で骨盤がさらに下を向くようになり、背骨との接点に無理が余計にかかります。

 

 そうではなく、下っ腹に力を入れグッと引っ込めるようにし、恥骨を前に突き出すようにして、お尻をグッと引き締めるようにすると下を向いた骨盤が起きてくるようになります。 すると骨盤と背骨の接点に無理がかからなくなり、その姿勢での腰の負担は大きく軽減してくるでしょう。

 

 このような動作は、座っている時も立っている時も歩いている時も行うとさらによいです。 

 

 ちなみに歩き方についてですが、昔の日本人の歩き方は腰に負担の少ない理想的な歩き方でした。 運動会で行進の練習とかをやらされた経験があるのですが、その時、中には緊張して手と足が一緒に出てしまう子がいたものです。 足を前に出したら手は後ろに引くところを、足と一緒に手も前に出てしまうと必ず注意されていましたが、実はこの歩き方が腰痛を起こさない理想的な歩き方です。

 

 つまり着物文化の日本人は、足と手を逆方向に振って歩くと着物がはだけてしまいます。 着物を着崩さずに歩くためには、腰と肩が同時に前に出るようにしなければなりません。 これは、骨盤と肩が同時に前に動くことになり、背骨がねじれる動きにならないため身体に負担をかけない動きになるのです。

 

 明治維新後に西洋文化が流入してきて、着物から洋服になっていく過程で手足を逆方向に振って颯爽と歩くようになってから、骨盤と肩がねじれる方向に動く生活習慣になり、骨盤と背骨の接点がねじれる運動によって錐もみ状態に負荷がかかり腰痛文化が蔓延したのです。

 

 昔の日本人はよく歩きました。 江戸から伊勢神宮へお参りに行くにも、平地が少ない日本を何日もかけて歩いて行けたのです。 

 

 日本を測量して地図を作った伊能忠敬は、測量で歩いた総距離が4万キロと言われています。 地球を歩いて1周するくらいを50歳を過ぎてから歩いたわけです。

 

 それを可能にしたのが骨盤と肩をねじらない同じ方向に動かす歩き方です。 モデルのような気取った歩き方では、こんなに歩いたら腰が砕けるでしょう。

 

 お散歩を習慣にしている人は試してみてください。 手足を同じ方向に動かすか、もしくは足と同じ方向に肩を出す、つまり腰と肩がねじれる方向に動かないように、上体が一枚の板のような状態で歩くのがポイントです。

 

 その時にも、下っ腹に力を入れて、中に引っ込めるように意識をすれば、よほど姿勢もよく見えます。

 

あとがき

 

 実は私も下っ腹に力を入れておくことを意識し始めたのは最近です。 理由は太ってきたからです。 原因は明らかに運動不足でした。

 

 そこで7月の中旬くらいからプランを練ってダイエットを始めました。 と言っても、極端な食事制限や食べ物に気を付けることはしていません。 いつもと同じ物を食べていますが、いつもお腹一杯に食べていたのを腹八分くらいにしただけです。 

 

 一番の課題は運動不足の方でした。 おかげ様で忙しくさせて頂いておりますので、わざわざ時間を作って運動に行くことは無理だと思いました。

 

 そこで考えたのが、家を出てお散歩に行くのは天気や時間の都合上無理と判断し、家の中で出来ることをしようと思いました。 初めはルームランナーでも買おうかと思いましたが、やらずに放っておくことが目に見えていましたので断念し、飽きずに続けられる方法を模索したところ妙案が浮かびました。

 

 ヘッドマウントディスプレイを購入し、それで映画やドラマを見ながらその場で足踏みや踏み台昇降をやるという方法です。

 

 これなら飽きずに、暇をつぶしながらいつでも運動ができます。 これがハマりました!

 

 これを書いているのが8月下旬ですので、ダイエットを始めてから1か月ちょっとですが、体重が4kg減り、ウエストが8cm減りました。

 

 これに加えて下っ腹を引っ込めるように意識していたら、ポッコリ出てきた下っ腹が引っ込んできました。

 

 足踏みや踏み台昇降をする時には手足を同じ方法に動かすように注意しています。 
 毎日トータルで1〜2時間やっていますので、かなりの運動になりますが腰に負担を感じることは全くありません。 膝に負担がかかりますが、予防として必ず毛管運動をしてからやるようにしています。 

 

 ダイエットのコツとしては、筋トレと有酸素運動を組み合わせてやることです。 筋トレで脂肪を燃焼するエンジン(筋肉)を作り有酸素運動で脂肪を燃やすのが効果的のようですよ!